サピエ図書館ってどんなところ?


投稿日:2017年10月07日


概要

サピエ図書館をご存知ですか?
サピエ図書館は、建物のない図書館です。
え?じゃあ、どこにあるの?と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんね。
実は、サピエ図書館は、インターネット上にあります。
インターネット環境が整っている場所であれば、誰でもどこからでもアクセスできます。

サピエ図書館は、視覚障害やその他の理由から、目で文字を読むことが難しい方のための図書館なんです。
全国の各種図書館や関係団体が組織する資格障害者情報総合ネットワーク「サピエ」の会員サービスのなかのメインサービスで、個人会員なら無料で利用することができます。

トピック

  1. サピエ図書館は視覚障害者にとって必要不可欠な存在
  2. 豊富な資料数のメガ図書館
  3. 自力で利用できるって大切です

サピエ図書館は視覚障害者にとって必要不可欠な存在

新聞、つり革広告、単行本、文庫本、漫画…
普段はあまりに当たり前すぎて意識しないかもしれませんが、私たちは活字文化の中で生きています。
生活に大切な情報から、小説やエッセイ、漫画といった楽しみのためのものまで、活字の恩恵を預かっているものはたくさんありますね。
ここで、質問です。
かばんの中に本が入っていない日はありません!というほど本好きの方も、漫画は読むけど小説は読まないな、という方も、もし活字が楽しめない状況に置かれたらどうでしょうか。
…けっこう、辛いですよね。
同じように、視覚障害者や目で文字を読むことが難しい方も、活字を楽しみたいと思っています。
でも、街の本屋さんで点字資料を見かけることはほとんどありませんね。
それに、都道府県立図書館には多少あるようですが、市町村が運営する公共図書館には、点字資料や音声資料などはあまり置いていないようです。
視覚障害者の方向けの本や資料が充実しているとは、とてもじゃないけれど言えないんじゃないかと感じてしまいます。
そう、目で文字を読むことが難しい方たちにとっては、どうやって活字に接していくかというのは、けっこう切実な問題なんです。
サピエ図書館は、この問題を解決するための手段のひとつとして生まれたサービスです。

豊富な資料数のメガ図書館

目で読むことが難しい方向けの点字図書や録音図書などの全国最大のデータベースで、「サピエ」のホームページによると、扱う資料数はなんと約66万件!
全国の「サピエ」会員の施設・団体が製作・所蔵する資料目録と、点字・音声図書出版目録から構成される、充実した内容となっています。

視力が極度に弱い方の中には、活字を拡大すれば読むことができる方もいらっしゃいますが、視覚障害者の多くは、目で読むことが難しいため、活字を音声で録音したものを使って活字を楽しみます。
デジタル録音図書の国際標準規格を「デイジー(DAISY=Digital Accessible Information SYstem)」といい、その基準を満たしたものを「デイジーデータ」と読んでいます。
サピエ図書館では、約18万タイトルの点字データのほか、音声デイジーデータ約7万タイトル、テキストデイジーデータ約2千タイトルを持っています。
サピエ図書館の会員になると、図書館のホームページで検索して出てきた結果の画面から、好きな資料を選んで自分のパソコンにダウンロードしたり、ストリーミングすることができます。

最近、東京都の千代田図書館など、公共図書館でも電子図書のデータを貸し出すサービスを行っているところがありますよね。利用されたことがある方は、あの感じを思い出していただけるとわかりやすいでしょうか。

自力で利用できるって大切です

サピエ図書館の良いところは、インターネット環境が整っていれば、誰でもどこからでも利用できること。視覚障害者の方の中には、外出が難しい方もいらっしゃると思いますが、そういった状況の方でも、誰かに助けてもらわず自力で好きな資料を選び、利用することができることです。

あまり親しくない人に「どんな本を読んでいるの?」と聞かれて、その本がたとえやましい本でなくても、自分のことをバラすみたいでちょっと恥ずかしいな、嫌だな、と思ってしまった経験、誰にでもあるのではないかと思います。
サピエ図書館なら、自分一人で利用できますから、そういった気まずい思いをしなくて済みますね。
これはとても大切だし、素晴らしいことだと思います。

おわりに

デイジーデータには、「音声と簡単なタイトルの文字情報だけ」というものから、「音声とタイトル(リンクあり)」「音声とテキストデータ・図版」など、様々なタイプのものがあります。紙に活字を印刷する紙の本よりも、使い手に寄り添ってくれる資料です。
リンクを貼ったり画像を付けられたりするデイジーデータは教科書に適している、と注目されていますし、デイジーデータはこれから出版の幅も広がって、ますます充実してくるのではないでしょうか。
ホームページによれば、サピエ図書館のデータベースの件数は、年間約2万件ずつ増えているということです。
これからは、更にそのスピードが増していくかもしれませんね。
選べる資料が増えること。
これは、目で文字を読むことが難しい方にとっても、そうでない方にとっても、喜ばしいことではないでしょうか。
サピエ図書館という名前になったのは2010年ですが、このインターネット上の図書館のもととなる最初のシステムができたのは1988年。
日本IBMという企業と日本点字図書館が試行錯誤して進化して、今の形まで成長してきました。
サピエ図書館にやっと時代が追いついてきた、と言えるかもしれません。
インターネットがないことが考えられないくらい、身近な存在になってきました。
サピエ図書館は、これからますます便利に発展していく予感です。

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